2025 Tokyo

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Nobel Prize Dialogue

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ニューイングランド・バイオラボ(マサチューセッツ州イプスウィッチ)最高科学責任者。遺伝子の分断およびmRNAのスプライシングの発見によりノーベル生理学・医学賞受賞。

ニューイングランド・バイオラボ(マサチューセッツ州イプスウィッチ)最高科学責任者。1968年にシェフィールド大学より有機化学の博士号取得後、ハーバード大学ポスドク研究員を経て1972年から1992年までコールド・スプリング・ハーバー研究所勤務。J.D. Watson博士の下で研究部門アシスタント・ディレクターを務める。1972年より、新たに発見されたII型制限酵素の研究に着手し、以来この酵素を主な研究テーマとしている。アデノウィルス2型における転写の研究をきっかけに、1977年遺伝子の分断およびmRNAのスプライシングを発見。この成果により1993年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。またアデノウィルス2型のゲノム配列決定の過程で計算ツールが必要になったことから、いち早くこの分野にコンピュータを導入。制限修飾システムの構成要素であるDNAメチルトランスフェラーゼにも大きな関心を寄せ、HhaIメチルトランスフェラーゼの結晶構造の解析に初めて成功して塩基フリッピングの発見につなげた。現在は新たな制限システム発見のために微生物ゲノムのバイオインフォマティクス研究を進めるとともに、SMRTシーケンシング、およびm5Cを含む認識部位を明らかにするための新たな手法を用いて、DNAメチルトランスフェラーゼの認識配列の解明に取り組んでいる。

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