Nobel Prize Dialogue

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ジョセフ・エッカー氏は、ペンシルベニア州立大学で微生物学博士号を取得。スタンフォード大学でのポスドクを経て、ペンシルベニア大学教授に就任。2000年に教授としてソーク研究所に着任。また、2011年よりハワード・ヒューズ医学研究所研究員。

ジョセフ・エッカー氏はゲノミクスおよびエピゲノミクス研究のパイオニアとして世界的に知られ、動植物遺伝学における革新的な業績で高く評価されている。共同主任研究員を務める研究プロジェクトで植物(シロイヌナズナ)のゲノム配列解読に初めて成功し、後にヒトエピゲノムの初のゲノムワイド・メチル化マップを作成して医学の発展に貢献した。この業績はタイム誌により、2009年の「最も偉大な発見」のひとつに選ばれた。またシトシン・メチル化と個々のニューロンをプロファイリングする彼の革新的な手法は、マウス、霊長類、ヒトの脳細胞の種類と遺伝子調節エレメントの解明に大きく貢献することとなった。

エッカー氏の手法はネイチャー・メソッズ誌により、2019年の「メソッド・オブ・ザ・イヤー」に選出されている。脳機能と脳疾患におけるDNAメチル化の役割の研究に取り組み続けるエッカー氏は、幹細胞のエピジェネティックマーク評価の共同研究を行い、胚性幹細胞に類似した細胞を最も効率よく作成する手法の確立に努めている。この研究は、エピゲノム間の差異と疾患リスクとの関連性を理解するための基盤となるものである。

エッカー氏は、ソーク研究所教授兼ソーク国際遺伝学評議会議長、およびハワード・ヒューズ医学研究所研究員である。米国立ヒトゲノム研究所評議会はじめ数多くの諮問委員会に所属、米国科学アカデミーおよび米国芸術科学アカデミー会員で、米国科学振興協会フェローでもある。2014年以降毎年、トムソン・ロイター社の「世界で最も影響力を持つ科学者」リストに名を連ねている。加えて、ポピュラーサイエンス誌はエッカー氏の研究成果を、2015年の「トップ10ヘルス・イノベーション」のひとつに選出している。

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