Nobel Prize Dialogue
スバンテ・ペーボ – Svante Pääbo
スヴァンテ・ペーボ氏はスウェーデンのウプサラで育ち、ウプサラ大学で博士号を取得。ドイツ・ライプツィヒのマックス・プランク進化人類学研究所所長と日本の沖縄科学技術大学院大学教授(アジャンクト)を兼任。
スヴァンテ・ペーボ氏は、ヒトの祖先、そしてその祖先と我々現生人類との関係性についての研究でノーベル賞を受賞した。
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ペーボ氏は、考古学ならびに古生物学調査で発掘された旧人類の骨などからDNAを抽出し、そのDNA配列を決定する手法を開発した。これにより、絶滅した生物や古代のヒト、動物、病原体のゲノム研究の道が拓かれることとなった。研究グループを牽引してネアンデルタール人のゲノム配列の高精度な解読に成功し、それまで知られていなかったアジアのヒト属デニソワ人を発見した。そして、ネアンデルタール人とデニソワ人の両DNAが現代人類に受け継がれ、生理機能や疾患傾向に影響を及ぼしていることを示した。また現生人類/旧人類と類人猿の比較ゲノミクスや機能ゲノミクスの研究にも従事し、特にヒトをヒトたらしめている特性の進化の解明に努めている。
ペーボ氏は、ドイツ、ライプツィヒのマックス・プランク進化人類学研究所所長と沖縄科学技術大学院大学教授(アジャンクト)を兼任している。